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2013年6月24日月曜日

ピアノという趣味

読んで下さる方がいる、と思うと嬉しいです。
有り難うございます。
調子に乗って今日はちょっと辛口に。。


先日、ネットのQ&Aのサイトを見ていたら
子供にピアノを習わせているお母様から「ピアノは将来趣味になればと思っているから、レッスンは厳しくしないで欲しい、音楽の楽しさがわからなくなる。家は電子ピアノだし、練習は毎日出来ないから発表会には出ない、云々、、」という質問がありました。

楽しい厳しいの基準はさておき、何事も真剣にやらなければ趣味にもならない、というのが私の意見です。楽しいのが悪い訳ではありません。厳しいのが正しい訳でもありません。ただ、ラクなこと=楽しい事、と勘違いされている方もいらっしゃいます。ラクなだけでは、魂が震える程の喜びや感動には至らない、という事は知っておいた方がいいと思います。

たぶんピアノは簡単だと誤解されているんですね。簡単なのは、音階の場所が目でわかって、ドを押せばドが出るって事だけです。全音出版の楽譜を見ると、だいぶ弾けるようになった人でも「えっ!?私ってまだ第一課程だったの!?」「20年やってやっと第3課程か、、、」と愕然とします。ピアノは、バイオリンやクラリネットなどに比べ曲らしい曲が弾けるまでの時間が圧倒的に短いので、勘違いしちゃうのです。「ちょっとショパン、、、」が弾けちゃうと錯覚してしまうのです。これ、錯覚ですから。

私はピアノはもしかしたら楽器の中で1、2を争う程難しいんじゃないかと思っています。だから趣味だろうとなんだろうと、身につけたいなら毎日5分でもいいから10年間弾いて下さい、と言っています。その積み重ねが、何にも代え難い贈り物を迎え入れます。発表会にもお金があるなら出た方がいいです。出るとなると、家で練習しなくていいなどと言ってられません。弾けるようになるには練習するしかありません。怒鳴るとか威圧するとかの厳しさではなく、「ピアノが弾けるようになるにはひとつづつの練習しかない」という厳しい現実があります。

そしてピアノが上手になるには耳を育てること。クラッシックのCDを聴くとか音楽会に行くとか。クラッシックは大きくなってからだと難しく聞こえてしまうので子供のうちから。お友達の演奏を聴く事も大事です。お母様が一緒にリズムを叩いてあげるとか一緒に歌うとか、子供のピアノを興味深く聴いてあげるとか、これが本当に「音楽を楽しむ、趣味」という事です。お母さん、楽しむ方がよっぽどめんどくさいですよ(笑)。

あと忘れてならないのが「五感を鍛える」ことです。結局指や頭を使って弾けたところで、その音楽をイメージしたり表現する事が出来なければ、筋トレをやってすっきりするくらいの感覚でしかありません。別にわざわざ音楽でなくてもいいのです。音楽が趣味になるといいのは、仮想体験が出来るからです。1曲を弾く中で、悲しみや喜びや色々なドラマを感じその事でとても癒されるのです。本を読んだり自然の中を歩いたり様々な豊かな体験をすればする程、曲の中でそれらを感じる事が出来、音楽が楽しくなるのです。

最近よく、同僚や音大時代の友人と「ピアノっていいね〜」と話します。昔は「明日はレッスン、憂うつ〜」といつも言い合っていた仲間なんですけど。
年を重ね思いは変わって来ました。私にとって今ピアノは、喜びを2倍にし悲しみを半分にする親友です。

自慢じゃありませんが、私はそこそこ勉強ができましたが(そこそこ)、まったくの劣等生だったピアノの方が断然人生を豊にしてくれています。ピアノの技術を付けさせてあげるのは勉強より役に立ちます。一生の宝です。
「楽しみたい」と「ラクしたい」を見極めて、どうぞ生涯の親友を作ってあげて下さい。


梅雨の晴れ間にありがたみが増した1日でした。





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