ページ

2013年8月31日土曜日

子供のピアノ 大人のピアノ


「将来、楽しく気持ちよく弾けるように」習っているのが子供

「今、楽しく気持ちよく弾くために」習っているのが大人


という感じがします。

よく子供は上達が早くていいわね、と大人の方は言いますが、子供は耳がいいというだけではなく、ちゃんとやってるから上達が早いと思っています。
子供は新しい漢字5個を明日までに10回ずつ書いて来るというような学校の宿題を眠くても毎日やっています。ピアノも同じで「来週までにこの和音3つを書いて、そして弾けるように」という宿題を出したら、運動会があっても書いて来るし、上手でなくても一応弾いて来ます。
でも大人は書く宿題は弾く事に関係ないと思っちゃうし、親戚が来たり仕事が忙しかったら、弾けなくてもしょうがないってことになります。

子供は宿題をやっていかないと「やらないと弾けるようにならないよ」と怒られますが、大人は怒られません。講師側がなぜ怒れないかというと、大人だからというよりも、大人の方は「今」楽しむためにやっているので、嫌な事を我慢してやらせては、そもそもの目的と違ってしまうからです。

一番顕著に現れるのが練習の仕方です。
子供には指の練習を徹底的に、そして曲でも「片手練習、部分練習、ゆっくり、はい、リズムだけ、声だして」と切り刻んでやらせますが、大人には、この地道な練習をなかなか受け入れてもらえません。大人には他の事で培って来たその人なりのやり方があるのが大きいですが、「今楽しくない」事なので、ピアノを「今楽しみたい」から習っている大人の方に、そこを我慢してやらせる事は出来ません。

こんなふうに習い方自体に違いがあるのも、上達の差だと私は思っています。
子供って偉いなあっていつも思ってます。偉いから上達が早いんです。
そして、これを読んで「いやいや、私は今でなく将来のためにやっている」という大人の方や「そうか!子供のような練習をしよう!」と思った方は是非、書く宿題も先生に出してもらって下さい。
外国語と同じで書く事は、理解と定着に繋がります。
そしてもし、将来の上達を望んでいたら、先生に言われた地味な練習を地道にして下さい。他の事では皆様の方が優れていても、長年ピアノを弾いて、沢山の生徒さんを教えて来た先生は、ピアノの上達のしかたを知っています。

子供も大人も本当は一緒です。
急がば、回れ。







0 件のコメント: