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2016年8月29日月曜日

承認欲求


ブームになっているアドラー心理学では「承認欲求」を捨てろと言っています。
他人に認められたいという本能ですね。これはなかなか難しいことです。人間である以上、悟りでもしないと完全に捨てられません。

さて、人前で弾くピアノ。
人前でピアノを弾くということは承認欲求でしょうか?
そして人前で弾きたくないのは承認欲求がないからでしょうか?

1、2年前「人に聞いて欲しくない人はいないと思う」という言葉を聞き、衝撃でした。そうだったのかと疑問が晴れた気がしました。

小さい子は上手下手に関係なく人前で弾くのが好きです。上手下手が自分の評価や存在価値を左右するとは思っていません。
自分を表現したい、自分を理解して欲しい、これは本能です。
人前での演奏はそんな素直な本能に従うということなのです。

それがある時期から弾きたくなくなる。
人前で演奏して失敗することを恐れるようになる。
この時、承認欲求が芽生えているのです。
つまり「人前で弾いたら下手な人とバレる。人に認められなくなる」ということです。認知本能が自分に弾くな、と命令しているのです。

本当に人前で弾くのが嫌ならレッスンで先生に聞かれるのも嫌だし(緊張するという意味ではありません)、録音するのも嫌だし、音を出すのも嫌なはず。
本当は皆「一生懸命練習してできるようになったものを誰かに聞いて欲しい」という気持ちがあるのです。人前では弾きたくないという人も自分よりヘタな人の前では弾きます(笑)。皮肉でもなんでもなく普通のことです。

では毎回発表会に進んで出て弾いてる人は、皆「ピアノを人前で弾いたらみんなが自分を認めてくれる」と思ってるのでしょうか?そう思えるほど自信がある人なのでしょうか?

それは違うんですね。
私が、下手でも人前で弾こうと思ったのでこれは分かるんです。
人にどう思われても弾こうと思う、ということです。
これにはリスクがあります。
失敗したら人に認められなくなる。
ではそのリスクを冒してでも挑む意味とは。

他人に認められたい承認欲求とは違う自分が自分を認めるということです。
目標を決めて頑張ろう、自分の成果を確認しよう、自分の言いたいことを責任を持って言おう、そして私の場合は自分のやっていることに責任を持とう、そういうことです。

とはいえ、プロのピアニストだったら承認されなかったら終わりですからものすごいプレッシャーです。「認められなくてもいいや」とは絶対なりません。認められるものを発表しなければ詐欺にすらなります。ここは辛いところですが、それを含めての仕事です。
実際、技術や音楽性より音楽にかける情熱で圧倒するピアニストもヴァイオリニストもいます。それが自己表現です。

趣味で自分で楽しむためにピアノを弾いている方は、人前で失敗したら恥をかくというリスクはありますが死にはしません。そして1年後、その人の演奏の失敗箇所を覚えている人は誰もいません。先生が指摘したり覚えているのはその人を認めないからでなく仕事だからです。仮に「下手なのによく人前で弾けるわね」と言う人がいたら、その人はとても承認欲求の強い人なんです。きっと失敗を恐れて、他人の評価を気にしてチャレンジが出来ない人でしょう。


趣味の方こそ自分のために人前で弾いてください。
失敗しないようにベストの練習をしてそれでも失敗したら、反省と課題を得て、そして是非誇りを感じてください。






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2 件のコメント:

ひよこまめ さんのコメント...

はじめまして。
いつも、面白い視点だなぁと思いながら読ませていただいています。

私はピアノを習い始めて5年になりますが、2年前から人前で弾けなくなり、今は先生以外は家族の前でも弾かなくなりました。

ブルク25、チェルニー30、ハノン、ソナチネアルバム、インベンションをやって、3年めに初めてモーツァルトのソナタを習ったんです。
本当にうれしくて、誰かに聞いてもらいたいと思ってサークルに参加し、意気揚々と弾いたんです。
確かに技術的には上手とは言えなかったと思うのですが、演奏を”承認”というよりはうれしいという気持ちを”承認”もしくは”共有”して欲しかったんだと思います。

ですが、その場にいたある先生に”技術力が全く伴っていないのに、人前でよく大曲を弾けますね? 恥ずかしくないんですか?”
”人前でソナタなどを弾くつもりなら、導入からやり直して、奏法から学びなおした方がいいです。そんな演奏を聞かされるのはいい迷惑です”
と言われまして、それから1年ぐらいピアノに触れなくなりました。

1年たって、また1からやり直そうと思い直し、先生を替えて、バーナムという導入教材からやってます。
再開して1年経ちましたが今も人前では弾けません。
先生の前でも手が震えます。

でも、確かに、どんなに恥をかいても死ぬわけじゃないですし、家族や友人なら下手でも多めにみてくれますよね・・・。
いつか、また、音楽を愛する気持ちやこの曲好きって気持ちを、誰かと共有したいって思えるようになるといいなと思いました。

piano hajimete さんのコメント...

ひよこまめさん、こんにちは。お読みいただきありがとうございます。
お豆はなんでも好きで、ひよこまめはサラダやカレーでよくいただいてます♪

すごい驚くばかりのトラウマをお持ちですね!
ここまでおっしゃった先生は、きっとどこに出ても「恥ずかしくない」ピアノを弾かれる天才でしょう。羨ましいです。
基礎は大事です。その先生のお言葉を省みて、地味な基礎に向き合った姿勢、ご立派ですね。必ず音に表れていますよ。人に迷惑をかけるのはピアノも人生もお互い様、アルゲリッチから見たら生徒も先生も富士山の裾野あたりのどんぐりです。ピアノという山登り、仲間と景色を分かち合えたらもっと楽しくなると思います。いつかぜひ自分のためだけに人前で弾くことにチャレンジしてください。応援します。