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2014年10月14日火曜日

ピアノ学習法

本番で弾けない、については何回か書きましたが、私も相変わらずなので自分に言い聞かせるつもりで書きます。


家では弾けるのに本番では弾けない理由は3つです。

1 あがる

2 練習不足

3 曲が自分のレベルに合っていない

家で弾けている場合、自分は1と思ってしまう方が90%でしょう。
しかし、ほとんどの方が2か3です。
その中でもだいたいが3でしょう。

そう思う根拠はまず自分でもあるし生徒さんをみていても
例外なくそう思います。

1の10%の方は、声に出して歌いながら弾く練習が効果的です。
右だけも左だけも両手のときも。口が回らなければドレミで歌わなくてもタラララ〜で、ただし必ず声に出して。これで音楽に集中出来るようになり弾けるはずです。
歌いながらだと弾けない、という方は1でなく、2か3です。


ピアノは楽譜が読めてそれなりに音符が拾えたら「弾ける」と認識してしまうのが間違いの始まりです。
その後が100万倍大変ですから。

だまされやすいのが、遠心力です。
遠心力とは回り始めるとそのまま慣性で回っちゃうことです。辞書で調べると「見かけの力」と書いてあります。
これです。実は家ではこれで弾いているのです。
リラックスした状態で弾き始めるとわりと勢いで弾けるものです。

しかし本番は。
緊張しなければ弾けるのに、ってことはそもそも存在しません。
「これから何かをやる」人間はちゃんと緊張するように出来ているのですから。
緊張とあがるは少し違いますが、そのどちらもがない人は天才か病気で、ごくごく少数派ですので宝クジより低い確立めざして生まれ変わらないと無理です。
あ、認定講師の堤陽子先生はこれらしいので大変貴重な人類です。

普通の人は普通に緊張します。緊張して普通です。
緊張した状態で遠心力は働きません。見せかけの力ですから。
フィギュアの選手も硬くなって回れなかった、と言いますよね。
逆にフィギュアは変に回り過ぎても減点になります。
要するに、遠心力だけではコントロールが利いてないってことです。

なので本番も弾けるようにするには、ほんとうの力で弾く練習をしないといけません。
あえて遠心力を働かせないようにするのです。
それにはものすごいゆっくり弾く。わざわざ止まる。
ゆっくりだと暗譜出来てないところは一目瞭然だし、止まったあとすぐそのテンポで弾き出せないはまさに勢いだけで弾いていたってことです。その時間違えなかったら本物の力です。歌いながら弾く、途中で止まる、これが出来るようになるには2の練習不足であるわけがありません。


だからだいたい3なんです。
つまり、1、2の対策の前に本当はもっともっともっとその前にやることが。。


やっぱり基礎がないんですね。
音楽性は大事ですが、ピアノは指が出来てないと弾けないのです。だからあえて音楽に乗らずに指を鍛える。 運動機能を鍛える。基礎しかありません。

緊張して弾けないのではなく、緊張した中で弾く力がないだけです。
そのこと自体その曲を弾く力はまだ備わっていないということです。緊張はするもの。緊張して弾けるようにするのがピアノです。緊張すると弾けない人は外人と話せない英会話ぺらぺらの人です。ピアノは末端の神経を使いますから、話すよりもっと細かい神経やら筋肉やらを鍛えないと弾けないのです。

超超簡単な曲を様々なテンポでいつでも何百回でも1度も間違えずにどんな場所でも弾けるようにしていく。錦織選手も出来ることを繰り返しやった成果だと言っていました。

出来るまでやるのではなく、出来ることをいつでも出来るようにする。いつでも。
同じ曲を何度も繰り返す。それが出来るようになったら、曲のレベルをあげていく。
ただし常に正しい練習をしながら。ここが大事です。
ちょっと弾けるようになるともう基礎は付いてる、なんて錯覚起こしますので。

これが本番で弾ける、言い換えれば見せかけではない本当の力がつく一番の学習法だと思います。近道はありません。なにしろ自分に言い聞かせてます。


というわけで、私は再来週急遽別の曲に差し替えることにしました。あがる、練習不足と言い訳するには10年早かったです。出直します。












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