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2015年8月16日日曜日

本番への臨み方

トリプルアクセルをオリンピックで成功させたのは、伊藤みどり選手と浅田真央選手のみですが、練習では出来るという選手はほかにもいます。
でも練習で出来るのと本番でも出来るのとでは、天と地ほどの差があります。
伊藤選手も浅田選手も、もちろん練習では出来ていても本番で成功させるのは難しい。
だからそこの間を埋めるために信じられないほどの努力をしたのだと思います。

ピアノ学習者は練習で出来ると「出来る」と思い込んでしまいます。
自分はその曲が弾ける、と。
でも練習で出来るのと本番で出来ることは、そもそも次元が違うのです。
練習で出来るのに本番で出来ないのは何故かというと、本番で弾ける実力がないからです。同じに考えることがそもそも違います。

その間を埋めるのは簡単なことではありません。
本番で弾ける実力は、練習で出来ることの半分。
プロが弾いてる曲をみて「自分が弾ける曲だ」と思っても本番でそれが弾けるかとなるとまた別です。つまり本番でその曲を弾くには、練習ではその倍の難度の曲を弾けていないと本番では弾けません。

ピアノ学習者はそこを自覚して、
「本番で弾ける曲を選ぶ」もしくは
「本番では弾けないことはわかっているけど挑戦する」という割り切りを持って発表会に臨むことが大事だと思います。

このことはピアノを長年やっていくと自然にわかってくることですが、ここをきっちり押さえておかないと、先生が選曲する子供と違って「知っている曲じゃないと弾けない」「好きな曲を弾きたい」という希望が多い大人の方は、本番で弾けないショックが大きくなってしまいます。

私も無理のない選曲にしていますがそれでも本番は難しいです。
120%弾けていても今までかつて練習でも一度も間違えたことのないところを間違えたりします。ウン十年もやっているのにそれです。
時々、「ピアノは好きだけど人前で弾くのは向かないから」と人前で弾かない方がいますが、きっと練習で出来る曲よりレベルを落としたくないのでしょう。
私も、練習ではあんな曲が弾けるのに人前ではこんな曲しか披露出来ない、というのなんだか悔しいです。
でもそれが自分なのです。
あんな曲を披露出来る人は、こんな曲しか披露出来ない自分より力がある、それだけのことです。自分がその人と同じだと思うから悔しくなるのです。

あんな曲は弾けないけどこんなステキな曲が弾けるというリスペクトを持てば、曲に貴賎はありません。

















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