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2015年8月31日月曜日

手のポジション

大人の方は「バイエルやチェルニーは結構弾けるけど、もっと音の少ない簡単なはずのギロックとかがなぜか苦手です」とおっしゃいます。


まったく耳なじみがない曲だからという理由もありますが、もう一つ大きな理由があります。それはポジションです。

本当はバイエルのような5指以内のポジションのものの方が音の不揃いが際立ってしまい難しいのですが、ポジションが同じということでバイエル類はあまり考えずに弾くことが出来ます。


頭を使うのが得意なはずの大人ですが、パターンが決まっていない柔軟に考えないといけない譜読みは大変苦労します。リズムや音域が広がりポジションが変わると、パターンや思い込みで弾けなくなります。目で見た楽譜の音とリズムを頭で考え正確な指の番号で、考えるヒマなく鍵盤を弾く、という頭と体を繋げることが必要になります。

そいうい作業に慣れていない大人にとってそれは「別の思考力」を使わないといけない。「高いドが左手の3番?それにオクターブ上の記号が付いている?鍵盤はいったいどこ?」ととってもややこしいです。

ただこれはその曲を弾くと言う意味だけでなく、ピアノ脳を作る練習としてもとても大切です。何でもそうですが、思い込みは上達を妨げます。

大人の方は、頭を使うのが得意なゆえに、過去の経験からドは右手の1番、ひだりの5番で弾くものと思い込んでいるのですね。
経験を生かすのは大事ですが、まずはまっさらな気持ちと頭で楽譜に向き合ってみて下さい。

認知症予防に良いとわれるピアノ、脳の活性化にはバイエルよりバロックと近現代です。





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