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2015年1月18日日曜日

脱力が出来ない、、

よく「脱力が出来なくて、、」と聞きます。

なので今日は脱力について書いてみます。
と言ってもこうやったら出来ます、と言うお話ではなく、頭でわかって出来る代物ではない、簡単に出来ると思うな、というお話です。私も出来ていません。


そんな難しいのに脱力が必要な理由は、腕が疲れるから、肩が凝るから、だけではなく脱力出来ると美しい音になる事と、速いパッセージが弾けるという事です。力が入ってると音がカチカチになってしまいます。ミスタッチも多くなります。
でも全く力が抜けちゃってたら音は鳴りません。力が入る時間をいかに短くするか、が脱力でしょう。時間で言うと1秒力が入っちゃったらもう脱力ではないです。ほんの一瞬のみ、力が入るってことですね。道具を使ったスポーツ、テニスや野球もそうみたいです。けれど難しいのは叩く鍵盤の場所が決まってるし右も左もだしすごい音符の量だし鍵盤を叩いて指を離すと音が切れてしまうので力を抜いても鍵盤は押さえていないといけない。どんなに速いパッセージでも1音1音力を入れて抜く入れて抜くの連続です。これは相当難しい。

これを出来るようにするのは大変な作業です。そうです、浅い考えで簡単にイイ事はできないのです。脱力ってしなやかで柔らかくも、礎となる部分の真の支えがないといけない。鍛錬が必要なんです。

大変ですよね。
私が思うに、脱力っていわゆる一つのピアノ奏法の流派であり流行です。私が子供の頃かつての日本ではハイフィンガーという奏法が流行ってました。今はハイフィンガーは悪の権化みたいに言われてますが、みんなそれでそこそこ弾いていたんです。そこそこなら問題ないんです。力が入っててピアノが弾けるのかと聞かれたら弾けます。

脱力はちょっとやればできるかな、くらいで出来るものではないので、そこまでせずピアノを楽しみたいという方は、疲れたら休む、疲れる曲は弾かないくらいの気持ちで、脱力に惑わされずピアノを楽しんだ方がいいかもしれません。


脱力奏法と一口に言っても色々な流派がありそれぞれが違います。
それらが永久不滅のメソッドではないのです。
あと50年後、私たちのあとの世代はもっと「キレイで楽に弾ける」奏法で弾いているかもしれません。




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