ピアノ奏法で大事な前提は手を痛めない事です。そして手を痛めない弾き方だと指も動き、音も美しいです。
手を痛めない弾き方とは力を抜く事です。力を抜いて行う事がどれだけ大事かは他のスポーツを見ていてもわかります。力を抜いて演奏なりスポーツをしてらっしゃる方は高齢になってもそれが可能です。室井摩耶子先生のように。
昔日本でほとんどの子供が習っていたのはハイフィンガーと言われる奏法で、これは手を痛めやすい奏法でした。子供のうちは筋も柔らかいし筋肉もあって曲も難しくないし手の事なんて考えませんが、曲が難しくなると、力が入っていては指が動かないので、無理矢理力任せになんとか動かして、あげく手を痛めてしまう感じでした。
昔のヨーロッパでもピアノ奏法の歴史をみると、指が動くようになる機械や指を広げる機械、指が強くなる機械が開発され、みんな手を壊していたみたいです(涙)。怖いですね。
手は個人個人違うし関節の柔らかさなども関係してきますので、全員にこれ、というのはないのでしょうけど、「ピアノを弾いて痛くなる」というのは明らかに間違っています。年を取ると余計筋を痛めたりしてピアノが弾けなくなります。はじめからやるのがいいですが、変だなと思ったその時点からでも、先生について力を抜いて弾ける弾き方を学びましょう。
力を抜く事は時間もかかりますし、面白くないです。やらないですむものならやらずにやり過ごしたいです。生徒さんを見ているとその気持ち満々です。私もピアノ以外の事では先頭立ってラクして実を取るタイプです。ピアノでも、熟した実が運良く頭の上に落ちて来ないかと、寝ながら待っていましたが、待っている間に年を取り、余計下手になって、おかげさまで思い知らされました。ここはあきらめて地道に練習するしかないでしょう。人間何かをやるときには力が入るようになっているので、速く弾きたいと思えば思う程自然に力とは入るものなのです。意識を変えましょう。動く時力はわざわざ抜かないと入ったままなのです。
手の事をやると、曲が進まなくなる事は覚悟しないといけません。
めんどくさい上曲が仕上がるわけでもなし、すっきりしない日々が続きますが、急がば回れです。
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