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2013年12月22日日曜日

ヤマハシステム

ヤマハはお月謝が高いとか講師の報酬が低いとか弾けるようにならないとか言われますが、これは全部事実です。でもヤマハのシステムにはそれに勝る充分の価値があると私は思っています。


今の私があるのはヤマハのおかげです。ヤマハ音楽教室の生徒としてピアノ人生が始まって、ヤマハシステム講師として働き、その間大事な事をたくさん教えていただきました。


研修で教わり今でも気をつけている事があります。それはリズムとアインザッツ。
子供は耳がいいので、いいリズムで叩くことは勿論ですが、手で叩く時は手が打楽器なので、手の音色にも気を配る事。
はじまりの「さんはい!」みたいのをアインザッツと言いますが、たとえば3拍子なら3拍子の、2拍子では2拍子の、しかも曲想に合ったアインザッツの出し方をする。指揮者と考えれば当然ですが、ただのリズム打ちや個人レッスンでは、忘れがちな部分です。

こんな細かい一つ一つが子供の音楽性を育みます。大人は「何の曲が弾けるようになった」とそこだけしか見ませんが、どんな可能性を内側に作ってあげられるか、「何を弾ける」でなく「どう弾ける」子になっていくか、そこが本当の音楽教育だと思います。「あっちのお教室の子はあんな曲が弾けてる。あっちに変えよう」というのはありがちですが、成果は1年後ではなく30年後です。大人の方で、子供の頃バイエルを最後まで弾きましたという方より、ヤマハで遊んでました、という方の演奏の方が素敵なことはよくあります。もちろん指を動かすトレーニングも大事ですが、それだけでは楽しい音楽は生まれないと痛感しています。


ヤマハの講師の報酬は決して高くはありませんでしたが、その分お金では買えない音楽の精神も指導法も勉強させていただきました。

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