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2015年5月24日日曜日

苦痛なら

先日「きちんとやるのは苦痛なんです」と70代の生徒さんに言われました。
私は「そうなんですね、わかりました。では楽しいとこ取りでやりましょう」と言いました。

私が大人の方でも基礎をやっていく理由は、いつか音大に行く準備のためでもいつかリストを弾く準備のためでもありません。
ピアノはそうやって学ぶと知っていた方が色々な意味で豊かに楽しくなると思うからです。

たとえば歌舞伎。
あの口調も表情も真似だけならそれなりにできるかもしれない。歌舞伎に詳しくなければそれを見た人は歌舞伎と感じるかもしれない。でも振り向くだけで何年の世界と知ると振り向いた玉三郎さんを見た時「これね〜!」と歌舞伎のなんたるかを感じられる。もちろん素人が習ったところで簡単にその域まで出来るようにはなりません。でも何たるかを知っているけど出来ないのとなんたるかは知らないけどぽく出来るのではちょっと違います。

ただそれを知るために苦労することがそこまで苦痛ならやらなくていいのです。
やる価値がないと本人が思うことなら必要はありません。
きちんとやることをすすめてはいますが強制はしていません。
ピアノの基礎ができてなくてもピアノは弾けます。楽しめます。


綾小路きみまろさんは人生ひまつぶしと言っています。
どんなに頑張っても苦労しても所詮は人生ひまつぶし。
自分の好きなひまつぶしをして下さい。





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