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2015年10月16日金曜日

曲に飽きる 練習に飽きる

生徒さんがよく「弾けてないのにこう言うのもなんですが、飽きちゃって、、、」とおっしゃいます。


その気持ちすごくわかります。
でも実は逆なんです。
「弾けてないのに飽きる」のではなく「弾けてないから飽きる」のです。


弾けてないから飽きるのは、その曲の理想的な姿が掴めていない、自分の実力以上の曲を弾いている、単調な練習が退屈、などなどが原因です。

それには
1、その曲の理想とする良い演奏を聴く
2、自分のレベルに合った曲にする
3、楽譜を良く見る
4、目標を持つ

というようなことを考えていくといいと思います。



1、良い演奏を聴く
良い演奏を聴くと、「私もここをこんな風に弾きたい」となるのでやる気がおきます。
完璧に弾ける事は永遠にありませんから、良い演奏を聴くと次々に具体的な課題が見つかります。それには指を動かす事より耳を鍛える事です。耳が出来ていないと客観的に音楽が掴めません。それが出来ていないと弾けてないのに弾けたつもりになります。ただし、その後は徹底的に指を鍛えなきゃいけないのは言うまでもありません。


2、自分のレベルに合った曲にする
難しすぎる曲は挑みきれなくなりやる気がなくなります。
少しここを改善すればこの曲は良くなる、というとき人はやる気がおきます。
もうちょっとでここが弾けそうとなると人はますますやる気になります。
少しじゃなくてたくさん頑張らないといけない時はなかなか頑張れません。すごく良い演奏を聴いたとき「こんなのムリムリ」と思ってしまったらモチベーション下がります。上手になる実感がないのに練習なんて出来ません。もう少し手の届く曲にしたほうがいいです。


3、楽譜を良く見る
曲が好きじゃないというのは、実は楽譜の理解に欠けている事が多いです。
楽譜には物語があります。
ここは何を語ろうとしているのか、ここはどんな感情かを読み取ろうとする勉強や努力が足りないのです。楽譜を読み解くとさすが大作曲家の曲、どの部分も大事でどの部分もちゃんと伝えなきゃと思います。その読み方が浅いと上辺だけ音を真似して弾く事になります。意味を持たない音楽は弾いている方も聴いている方も飽きます。


4、目標を持つ
単調な練習に飽きるのは当然です。地味ですから。自分の音に耳を澄ましてコツコツやる練習はもはや苦痛です。これは時間もかかるし成果もあるんだかないんだかすぐにはわからないのでやりたい訳がありません。
でもピアノを続けるにはそのルーティーンワークが欠かせないんですね。
ルーティーンワークは飽きてもやらなきゃいけないんです。
この単調な練習を続けられないと上達はしないのです。
テニスやサッカーや野球の選手だって本職をするより、ジムで体幹鍛えたり走り込みしたりしてますよね。この間のラグビーの練習なんて頭に何キロもの重り付けて腕立てみたいな事してて過酷以外の何ものでもありませんでした。ピアノも一緒です。試合しかしないサッカー選手が上手になるわけないと誰にでもわかります。ピアノも曲しか弾かない人は上手にはなりません。

でも体幹を鍛えるのも走り込みをするのも「試合で勝つ」という目標があってこそ、単調な練習を続けるには「人前で弾く」という目標を持つ事が一番です。というかそれ以外ないです。単調な練習は目の前に人参か後ろからイノシシで続けるしかないと思います。ピアノには勝ち負けはないですが、自分で満足するために弾いているだけだとイヤな事は絶対避けます。でも人前で弾くとなると恥をかきたくないし、せっかくなら「よかった」と言ってもらいたい。だから単調な練習もするしかない、となるのです。
芸能人があれだけ美に気を遣っているのは、見られるからですよね。ピアノだって聴かれると思うとやらなきゃ!ってなります。


「なんか飽きた、、、」と思ったら以上のことを試してみてください。たまには飽きて次の曲に行くのもいいけれど、いつもいつも飽きていたら肝心の音楽に到達出来なくて勿体ないです。素晴らしい曲の数々、弾けば弾くほどのめり込むはずです。実際どんどん良くなっている生徒さんは「こんなに長く弾いているのに飽きない」とおっしゃいます。


ちなみにほんとうに魅力ない曲もあります。
上っ面だけの曲は当然存在します。上辺だけの演奏に魅力がないように、そういう曲は一時は楽しくてもすぐ飽きます。原曲を編曲してる場合もその可能性はありますね。
原曲でも編曲でも100年以上残っている曲には必ず残っている理由があります。











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