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2015年2月16日月曜日

いつまで習い続ければいいか

私ほど「いつピアノをやめようか」と思っていた人はいないんじゃないかと思うくらい、スキがあればピアノをやめようと思っていました。
スキがなかったのか、続け続けて今は好き好んで弾いている上にだれに強要されているわけでもないのに習いに行っています。人生わからないものです。


レッスンに行かない方が自由に弾けて楽しかったのですが、レッスンにまた通い始めたのは「もっと上手になりたい」と思ったからです。
上手になるにはいいものはいい、悪いものは悪いと言ってくれる人が必要でした。聴いて下さる方って「あえて悪く言わない」んですね。友人も生徒さんもお客様も。もちろんどこがどうよくなかったのか具体的に聞く事もありません。「よくない」と言って下さるのは先生だけです。私はそれを知りたくて再びレッスンに通い始めました。


生徒さんでは中学や高校、大学と節目に合わせてもう弾けるようになったからあとは独習で楽しもう、というかたも多いと思います。その場合一番物足りなくなるのは「よくない」と言ってくれる人がいなくなる事だと思います。教えてもらうだけならパソコンでも友人でも可能です。でも気兼ねなく「良くない」と言ってくれる人は少ないものです。コンクールで審査員に「左手が強い」とか「もう少し歌って」とか書いてもらっても漠然とし過ぎてるし。別にプロになる訳じゃないんだから「よくなくて」もいいのですが、よくないものを積み重ねるよりよいものを積み重ねたいのが人間の本能。楽しく弾く事も大事ですが向上する事はそれ以上のよろこびがあります。また人間は自分に甘く自分はごまかせるので「こんなもんでいっか」という気持ちにもなります。するとほんとうにこんなもんになります。

そして逆算して答え合わせが出来るものや一つ出来ると同じものが出来るという類いのものはわかったらやめることも出来ますが、ピアノのように答えがなく一瞬で過ぎ去ってしまうものだと自分で聴いて判断するのもそれなりの能力が必要です。


大人になればなるほど、自分にむち打ってくれる人はそうそういるものではありません。
今まで人生をさぼり倒してきた私は、しばらく、ほどほどにむち打ってもらう人生を選択しようとレッスンに通っています。


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