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2015年12月15日火曜日

人はバラバラ

「『人間は一人一人バラバラ、だから永遠に分かり合えない』とテレビである哲学者が言っていました」と75歳の生徒さんがおっしゃいました。そして「私もそう思います」と続けました。


最近の流行りの考え方は『人は皆繋がっている』ですから、この考えは今風ではありません。その方は楽しくて親切で明るい方。以前「なぜ怒ったり苛立ったりしないんですか?」と聞いたとき、「人に何も期待してないから」とお答えになって、ああ、そうかっ!て納得しました。
期待はなんだかいい意味で使われますが、ちょっとうさんくさいと私は思っていました。
スポーツ選手に期待したり、子供に期待したりって、なんだか人の力で楽しむみたいなところがあります。期待って簡単なんです。人に夢を託せるから。自分の手で道を拓かなくていいから。自分で考えないですむから。期待は実はとても利己的で他力本願な言葉のようにうっすらと感じていました。


人との交流はとても大事です。
人間関係は音楽でいうなら調和、ハーモニー。一番重要な要素であり、潤いであり美しさです。
けれどその方がそう思ったように、私もその「人間はバラバラ」というものに核心的な真実を感じます。

期待は投げかけている関係。
一方ハーモニーは引き立て合っている。
連弾でも自分のパートをしっかり弾けていなければ相手のパートを引き立てることは出来ない。

人間はバラバラ、だからこそ調和を欲し調和に幸せを感じるのかもしれません。
「人間はバラバラ」と言ってくれた哲学者と生徒さんに何かホッとするものを感じました。











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