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2015年7月12日日曜日

ハノンの悩み

ハノンの練習では皆様色々な悩みがあります。


一番多いのは「私は4、5が弱いんです。動かないんです。」ですね。4、5はそういう指です。人間なので全員そうです。
次に多いのは「指が短い、曲がっている、手が小さいので弾きづらいんです」のような手や指の問題。これもよくある事です。
確かにオクターブの連続は難しい。でも脚が短くてもO脚でも走れる。
あとは「全体的に力が入って疲れてしまう」。
これもみんな通る道です。ゆっくりなら弾けるけど速くした途端力が入る。


ハノンは指を鍛えるトレーニングですが、やたら動かすというアクロバティックなことに挑戦していると何より音が汚くなったり、力が入り過ぎたり、その挙句手首や肘を痛めることもあります。

かくいう私もそのような使い方をして手を痛めた経験者です。
メトロノームを一つずつ下げていき、とにかく勢いで弾く。
この練習は上手くいくと速く弾ける(笑)。
でも出来にムラがあってコントロールのきく指には到底ならない、
その上、手や肩が痛くなる。

4、5の指のことも、手の事も、疲れるとか、コントロールを効かせるとか根本的な解決は脱力しかないんだと思います。関節が元々強い人は脱力してなくても痛くならないし、緊張してても若いうちは弾けるらしいですが、年を取るとやっぱり弾けません。私は元から関節が弱いし集中力がないので若いうちから弾けませんでした。

ただ脱力に関しては、you tubeなど見ても色々なアドヴァイスがあって真逆のことを言ってたり混乱します。先生によって言うことが違うのはよくある事、日常茶飯事です。私も昔はだいぶ混乱しました。

陸上でも水泳でも走法や泳法が人によって色々なようにピアノ奏法もひとつではありません。色々なやり方を見聞きした上で、論理的にも実践的にも自分がやりやすいしっくりする脱力の方法を学ぶしかないと思います。

転がるような粒の揃った軽やかでそれでいて響く音は、ピアノを弾く人のあこがれです。
でもそれを手に入れるには、ハノンをがむしゃらに弾いてもほど遠いです。受け身でやっていてもダメです。
めんどくさいですが、一度立ち止まって自分に向いている奏法をじっくり探り、「質よく」積み重ねることが大事だと思います。








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