ページ

2015年9月22日火曜日

頭と体

演奏者はまずは頭と体で楽譜と向き合います。


楽しいとかこんな感じとか脇に置いておいて、冷静に楽譜を読み取ります。
聞いたことがある曲だとイメージで弾きたくなるのはわかりますが、思い込みがあると間違いなく仕上がりが悪くなります。楽譜は頭できちんと理解しておかないといけません。

譜読みの段階から音楽的に、というやり方を推奨するピアニストがいますが、それはもう「やだ!この加線がいっぱいあるの何の音?」とか「このリズム右がこうで左がこうだからこれで合ってる、、かな?」とか「ここ何番で弾こう?手届かないし、、、」とか考える私のような素人向けのアドバイスではありません。少なくとも全て同じテンポで止まらず弾ける人がやることです。

素人はしっかりゆっくり考え考え譜読みをしたら、次はしっかりゆっくり運動です。
この時点でも聞いた感じの曲のイメージで弾いてはいけません。
頭で考えた事を手に伝達するのです。
中上級になるとこの作業が、上記の楽譜を読むのと同時に出来ます。
でも運動自体は念には念を入れて片手ずつ→両手を順番にやって身につけていく事が大事です。

そしてあとは量をこなすのみ。徹底的に運動量をこなす。

そうするとようやく音楽としてとらえられるようになります。

いくつものパートを同時に弾くピアノは、楽譜の理解と運動を音楽とは別のところで訓練しておかないと肝心の音楽に辿り着けません。こんなふうにあんなふうに弾きたいのをぐっと我慢してきちんと黙々と「頭を使って」「体」のトレーニングをするのです。

考えなくても体が動くまでやらないと、音楽を伝えるところまで余裕が生まれません。
それがピアノです。






0 件のコメント: