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2016年12月28日水曜日

パステル

今年は昨日が仕事納めでした。で今日はというと「ピアノは弾かない」と決めて、大掃除と忘年会。


大掃除の時に今まで手をつけなかったところまで広げてみました。
「いつか工作しよう」と買っていた木材が出てきました。
固まりかけている絵の具がたくさんありました。
一つ一つ蓋を開けてみると、その色々にその匂いに、懐かしさと気恥ずかしさと切なさが押し寄せてきました。

ずっと絵を描くのが好きでした。何か作るのが好きでした。
友達と絵の話をしたり、展覧会に行ったり、誘ってもらってデッサンの会に通ったり。
不安いっぱいながらもその時その時を楽しんでいたなあと若き日々を思い出しました。

それが今は鉛筆も持たず筆も持たないのはもちろん、絵の話をされても全然わからない。
「すごい絵が東京で見られる」と聞いてもなんのこっちゃって感じで、どんな魅力があるのかも説明してもらわないとわからない。
絵を描く楽しみも絵を見る楽しみも忘れてしまいました。

いつの間にか、大好きだった絵を忘れるほど楽譜に向かっていたんだなと苦笑いしました。私そこまで音楽が好きなわけではなかったので。
ただ、そこまでやらないと仕事としてやって来られなかった。
こんなに仕事に恵まれて、絵なんか描いてる場合ではありません。必死で音楽やらないとバチが当たります。
そんなふうに思ってやってきたピアノですが、そんなふうにやって来られたピアノが今となっては絵を描くことより大事になっていました。


「いつか両立できるほどピアノに余裕ができたら、また絵も描いてみたいな」と思いながら、ひとまず高校時代の使いかけのパステルは元の場所に戻しました。



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