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2016年12月16日金曜日

音楽を細分化して考える

歳をとると一度に同時にいくつものことができなくなるって言います。
ピアノは、リズム、音、指、読譜、そして表現という別々のものを一度に同時に行ってます。だから歳をとるとそれが難しくなるということですね。

しかし。
じゃあ子供は簡単にいくつものことが同時にできてピアノを弾いているかというとそうではありません。子供はまだ脳が発達していないので、大人より断然難しいです。ただ、子供は「出来ない」と分かっているので、ちゃんと順を追ってピアノの訓練できます。子供がいつのまにかそれを同時にできるようになるのは、訓練や習慣の賜物です。

大人の方は、まずは「弾きたい」という気持ちが先行しすぎて、なかなか順を追って訓練してくれません笑。

歳をとると一度にいくつものことができなくなるのを私も実感しています。だからこそ、子供を見習って、急がば回れで細分化して一つづつやるというやり方をするといいと思います。そもそも細分化してやるのは、子供のやり方ではなくピアノの正しいやり方です。一つ一つに分解して一つ一つをきちんと正確にやってそれから全部を合わせるのがもともとのやり方です。

具体的には片手練習、部分練習ももちろんですが、その前にその曲が何拍子か理解して、曲の全部リズムだけ、曲の全部音だけ、というように細分化して考えることが大事だと思います。

特にリズムや指は「できてるつもり」「だいたい」になってしまうので、ピアノの前から離れて、リズムだけ叩く、指使いだけ音を出さずに机の上で指を動かすなども必要です。

音楽は様々な要素が数学的秩序で正確に組み合わされています。その一つ一つが正確にできてこそ表現がプラスされます。その曲を100回弾くだけでは、結局「鍵盤を押さえる」という1つのことだけしか出来ず、難しいところはテンポが遅くなったり、リズムが崩れたりして数学的枠組みから外れてしまうのです。リズムができてないのに、音ができてないのに、表現はできないのです。

子供の耳は大人より圧倒的にいいです。しかし、子供がピアノが弾けるようになっているのは、それだけではありません。ピアノを習いに来ている子は「一度にいくつものことをできるための訓練」を実は大人よりもっともっと地道にしています。それが習慣になるまでしているのです。子供は我慢強いんです。


歳をとって一度にいくつものことができなくなる。そうなったら弾くことを諦めるのではなく、その時こそ正しいやり方でピアノにチャレンジしてみてください。
漠然と全体を弾いていた時よりも、小さな曲でも正確に楽しく生き生きとした音楽になると思います。







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